空中メリーゴーラウンド / 斉藤洋
 この本を読むきっかけは、小学校の先生から出された「夏休み読書感想文」でした。感想文を書くために、推薦児童図書を探しにいったところ、この本が目に止まり、買った覚えがあります。


 大半の推薦児童図書は時事ネタを持ってきて、変にメッセージ性があるのが通例です。しかし、この本は小難しい話は一切無く、子供心をくすぐる「ツボ」がガッチリ押さえられていました。僕は、読書ぎらいな子供でしたが、すごく面白くて、買ってきたその日に、3回くらい読見返した気がします。10年以上たった今でも詳しい内容を覚えています。僕に読書の楽しさを教えてくれた最初の本でした。


 児童文学作家で、この本の著者である斉藤洋さんはご存じでしょうか?昔教育テレビで放映されていた「ルドルフとイッパイアッテナ」の作者です。現在クロネコヤマトのCMで「ルドルフ」を見かけますよね?


 斉藤洋さんは現在、亜細亜大学経営学部経営学科のドイツ文学を専門とする教授であります。斉藤洋さん曰く、日本の児童文学界は「いつまでも生産者本位で消費者・読み手のことを考えなかったから衰退している」と考えており、「自分は『何を書きたいか』より『読者が何を読みたいか』に主眼を置いている」作品づくりを続けています。


 僕は、斉藤洋さんのような児童文学作家が増えていけばいいなと考えています。「いじめ」等のメッセージを詰め込み、子供達にその本を読ませて、感想文を書かせる・・・だから、「夏休み読書感想文」は楽しくなく、憂鬱なんだと思います。それよりも斉藤洋さんのような本を読んで、「本の面白さ」を子供達にわからせてあげた方が何倍も有益である気がします。


 一時期、僕は「絵本作家」になりたいと思っていました。僕は文章よりも絵で表現する方が得意なので、「絵本」という世界で斉藤洋さんような作家になりたいと思っていました。それほどまで僕に影響を与えた本です。大人が読んでも読み応えがあります。是非おすすめです。

今まで読んだ中で一番好きな本は?って聞かれたら、僕は、この本を真っ先に思い浮かべます。